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第36 自由を求めた代償 7 ※
尻臀を開く両手の力に引っ張られて孔も口を開いているのか、さっきよりも簡単にギガイの舌先がレフラの中へと潜り込む。
差し込まれていた指と同じように舌が動き、時折唾液を注ぎ込まれる。滑りを得た後孔はようやく解れ始めたのか、段々とギガイの舌の出し入れもスムーズなものになっていた。
「濡れてきたな」
声音に嘲る音はない。あくまでも事実の確認でしかない言葉なのだろう。だけど今までろくに自慰さえする事がなかったのだ。羞恥に苛まれているレフラにとっては、その指摘は自分の淫らさを認識させられたようで辛くなる。加えて舌から解放された後孔が、わずかに疼き始めている事も信じられない気持ちだった。
「指を入れるぞ、出来るだけ力を抜いていろ」
言葉と同時にギガイの指が、窄みを開いて入り込んだ。止まる事なく一気に奥まで挿入され、中がぐるりと掻き回される。敏感な内壁を遠慮なく擦られる感触に、思わずキュッと指を締め付けてしまった瞬間、指がズルッと引き抜かれた。
跳ね上がる腰を抑えられ、刺激に窄んだ後孔に二本に増やされた指が充てられる。身構える時間もないまま、強引に捻じ込まれる挿入は、窄みの縁に引き攣るような痛みを伴っていた。
指が一本増えただけで、中に感じる苦しさは全然違うのだと、レフラは身をもって覚え込まされていく。
腰の動きも封じられ、声も出せないレフラにはその衝撃を逃せなかった。
たった指二本だとしても、昨日まではレフラは未通だったのだ。快感の逃し方も耐え方も何も分からない。閨に関して無知だったレフラには、ギガイに与えられる快感にただ翻弄されるしかないのに、与えてもらえるかもしれなかった手加減さえも自分から放棄してしまった状態だった。
そんな事を今さら後悔したって遅いという事は分かっている。だからこそ、レフラはただひたすらこの一時が、早く過ぎ去るように祈っていた。
同じように容赦なく指の付け根までを差し込まれる。含まされた太さに慣れる時間さえも与えられずに、何度か指を抜き差しされて。それだけで感じ始めていたレフラの神経は、焼き切れそうになっていく。
「ーーーー!!」
体内で折り曲げた指が、昨日始めて教え込まれた内部の痼りをカリカリと意地悪く引っ掻いた。電流のような抗えない刺激が走り、突然目の前が白くなる。同時に衣服を噛みしめ声を殺すレフラの喉からも、引き攣るような呼吸の音が漏れていた。
「イっても意識を飛ばすな、飛ばせばそこで終わりにするぞ」
衝撃に吐精のように吐き出した粘り気のある淫液が、シーツとレフラの茎を細く繋いでいた。
ぜいぜいとレフラの肩が足りない酸素に上下する。口を塞いだまま喘ぐ事もできない状態では、呼吸さえも儘ならない。酸素が足りずにぼんやりとした意識の中で拾った『終わり』という言葉に、今のレフラは心が惹かれて仕方が無かった。
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