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第38 自由を求めた代償 9 ※

「力を抜かないと辛いのはお前だぞ」 そんな事を言われても力の抜き方なんて分からない。いくらレフラが力を抜きたくても、痛みを耐える窄みは勝手に力んでしまう。 (いたい、いやだ、やだ、できない……) 言えるはずもない言葉が頭の中を巡っていた。 レフラの後孔へ捻じ込まれたギガイのモノが怯えて固くなったレフラの隘路を犯していく。裂かれてしまうのではないか、といった恐怖にレフラの額に脂汗が吹き出ていた。 ミチミチと音を響かせているような、挿入の動きがようやく止んで、レフラがハッハッと浅く早い呼吸を繰り返す。 痛みは相変わらず酷かったが、どうにか収める事が出来た事にホッとする。一度の交わりで上手くいくとは思わないが、これで中へ出して貰えれば多少の務めは果たせるはずだ。かすかな望みを抱いてそんな事を思っていたレフラの耳に。 「今でようやく半分だ。もう少し力を抜け。これではろくに動けん」 そんな、ギガイの声が無情に響いてきた。 半分。終わったと思っていた所に聞こえた言葉が残酷に響く。絶望へ落とすには十分な言葉にレフラの血の気が引いていく。 「もう良い。息を吐いて声を出せ。その方が力が抜ける」 呆れたようなそんなギガイの声音が、レフラへ容赦なく追い打ちをかけていく。ろくに務めを果たせない御饌など、役には立たない。そうなれば、黒族は別な者を御饌として、跳び族へ求めるかもしれない。 (元より歪な身体だ……) かろうじて受け入れられた自分など、いつでも切って棄てられてもおかしくない。だが、御饌として定めを受けた時から、レフラにはこうやって一族を護る術しか許されていないのだ。どのような形でも跳び族の長子として一族を護っていけるならば、その矜持がレフラを支えるものなのだから。 「…申し訳ございません」 必死に声を塞き止めていた喉は引き攣るように痛んでいた。 「別に良い。ただ発言は気をつけろ。お前の不用意な発言はお前自身を窮地に追い込むぞ」 言葉と共にギガイの腰が動き出す。終わりだと思っていた挿入が再開されて、引き攣るような痛みを生んだ。 「っ、ひっ、あぁ、あっ……ああっ……!」 許された声が喉を裂く。 「私のモノは未通の者には辛いと言ったはずだ。それでも望んだのはお前だからな」 太さを馴染ませるように、軽く前後に出し入れされて、何度も敏感な粘膜を刺激される。 身体を内側から圧される苦しさと、割開かれる痛みと熱に翻弄されながら、レフラはギガイの言葉へ何度も何度も頷いて見せた。 こんなに苦しいのも、辛いのも、自分が選択した事なのだ。本当なら拒絶や制止を望む資格さえ持っていない。 自分の甘さを教え込むように、ギガイのモノが捻じ込まれていた分だけ引き抜かれ、一気に奥まで打ち込まれる。 「ひぃっ、あっ!あーーッ!」 絶え間ない悲鳴で開きっぱなしの口から、一層大きな悲鳴と涎が垂れていった。 (はやく、はやく終わって…) 自分の持つ情けない甘えを自覚させられた今では、願えるのはそんな事ばかり。それでも身体も心もすでに限界が近かったレフラの意識は、意思に反して耐えきれず。再度奥へ叩き込まれた激しい挿入に、為す術も無いまま落ちていった。

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