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第91 陽光の中 7

眼前に広がる景色はどこもかしこも、光を受けて輝いている。 いつもの窓越しに見えていた草地も気になれば、遠くに見える林も気になっている。逆にこの建物の裏側には何があるのか、そこも見に行きたい。だけどそれらを全て見るには、時間が足りない事は分かっている。 林に至ってはきっと遠すぎて、却下か行けてもせいぜい入り口までのはずだ。レフラは残念に思いながら、今後見ることが出来なさそうな建物の裏を選択した。 「アハハハ、お前は分かりやすいな」 突然聞こえた笑い声に、レフラが唖然とギガイを見上げる。今日何度目か分からない驚愕にレフラが言葉を失っていた。 「今後、少しずつ行けば良い」 「これからも良いんですか……?」 「あぁ、あの林の方へも行きたいのだろ?」 「はい!!」 弾む心のままに返事を返したレフラにギガイが再び可笑しそうに笑ってくる。子どもっぽかったかと気恥ずかしさも重なって、レフラがむぅと顔を背けた。 「拗ねるな。愛らしいと思っただけだ」 屈み込んだギガイがレフラの顔を覗き込む。 「私の相手もして欲しいから毎日とは言えないが。あぁ。だが時には外で楽しむのも良いかもな」 「えっ、外で楽しむ?何をですか?」 良い事を思い付いたとばかりに、言われた意味が分からなかった。 屈み込んだ事で近くなったギガイをキョトンと見つめれば、ギガイの空いた手がレフラの首筋へ伸ばされる。髪をかき分けられ無防備に晒された肌に風を受けたと思った瞬間、レロッと熱く濡れた馴染みのある感触が首筋へ這わされた。 「ひゃぁっ!」 突然の刺激に驚いてあられもない声が口から漏れる。わたわたと慌てるレフラの動きを遮って、そのまま首筋から耳殻へと舌が這わされた。 ぴちゃぴちゃと濡れた水音が耳孔に響く。 片手はギガイに握られたままだ。声を出さないように空いた手で口を抑えてしまえば、ギガイを押し返す事も出来ずにいた。 何度も耳殻を辿られて、尖らせた舌先を耳孔の中に捻じ込まれる。弄う動きはまるでレフラの後孔に差し込まれる舌の動きのようで、身体がブルブルと立って居られなくなっていった。そんな中、耳殻に立てられた歯で甘噛みされれば、もうダメだった。 ガクッと膝から力が抜けてしまう。だがいつの間にか回されていたギガイの腕がそのままレフラを拾い上げた。 「こういう事だ。理解できたか?」 耳元で囁かれた声も眼前のギガイの表情も意地悪そうな笑みを含んでいて、レフラは真っ赤な顔を引き攣らせた。 「…じょ、冗談ですよね……?」 「うん?冗談のつもりはないが、まぁ安心しろ。毎回ではなく、たまにはだ」 告げられた言葉のどこにも安心できる要素がない。それでも「クククッ」と笑うギガイの楽しげな顔に、レフラは何も言えなくなる。 「そう強張るな。とりあえず今日は散策に徹しておく」 この続きは夜に。そういって落ちてきた唇がそっとレフラの唇を啄んだ。

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