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第96 陽光の中 12 ※
「っやぁ…気持ち、いいです…やだぁ、怖い…きもち、いい…こわっ、い……ギガ、イ様、こわいぃ…」
理性を吹き飛ばしてしまうような快楽の波が、感情だけを剥き出しにしてしまったのか。混乱に呼び起こされた恐怖と不安が、喘ぐレフラの声に怯えを少しずつ混ぜ始める。
それでも1度心からギガイの言葉を受け入れたレフラは、健気に命じられた言葉を繰り返した。「気持ちいい」と告げる度に、言葉はレフラ自身へ暗示をかけて、快感はより一層高まっていく。
一度も触れていない前の茎も強まっていく快感に、先端からは透明の滴を零し続けている状態だった。
「もう、ダメ…ギガイ様、もうダメ。止めたい、気持ちいいです、もう止めたい、気持ちいいから、もう止めたいです……ッ」
もう限界なのだ。熱が溜まり続ける身体がジクジクと疼いているのに、突然の身体の変化についていけない心の怯えはどんどん強く成っていく。
それなのに情事の中でギガイに命じられるままに言葉を発して、指を動かすレフラの身体は、自分の身体なのに自分の自由にはならないのだ。
苦痛の中で刷り込まされた恐れも。受け入れた心が求める優しさも。ギガイの許しが無ければ、命じられた行為を止めてしまう事を、自分自身へ許してくれない状態だった。
言葉も後ろを慣らす指も止める事が出来ないまま、レフラは縋るように懇願する。
油玉はまだ2つも残っているのに、こんな状態ではちゃんと自分で最後まで出来るのか分からなかった。
「大丈夫だ、お前の身体と心がようやく私を本当に受け入れ始めただけだ。このまま上手に感じていろ」
限界を訴えて許しを求めたはずなのに、挿入する指を増やされる。さらに増えた刺激の強さに跳ね上がりかけた身体を簡単に抑え込まれて、逃がせない熱や刺激が涙に変わった。
「あっ!あーッ!…や…っめ…てぇ…っっ……!」
「そうではない。"気持ちいい"だ。もう1本指を増やして、慣らしながら言ってみろ」
間違えた罰だとでも言うように、増やした2本目の指に慣れない内に3本目の指を挿入を命じられてレフラが首を大きく振った。
「どうした?今日のお前はいつもより、上手く感じられているだろう?」
いつもよりも上手だと言われた言葉に、辛くて止めたくて仕方がなかったレフラはもうどうして良いのか分からなくなる。
「いつもよりもだいぶ上手く出来ている。良い子だ」
褒められて嬉しいのに、もうこれ以上は本当に無理なのだ。上手く快感と付き合えないレフラには、どうすれば楽になるのかもよく分からない。
「あぁっ!!気持ちいい、です!!気持ち、いいです…だか、ら、やぁ…っ、きもちっ、いい…からぁ…」
だから。だから、もう許して欲しいのだ。
指を挿入した中も、固く立ち上がった茎も、辛くて、もう耐えきれなくて。本当は一度刺激を止めて欲しかった。でもギガイの失望を恐れるレフラから言えるはずもないまま、レフラは音を紡げないまま口を虚しく開閉するしかなかった。
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