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第118 静寂の宮 7 ※

「とりあえず今日はもう下がれ」 堪える様子のないリュクトワスに苛立ちが湧いたのか、退出を命じたギガイの声音には不機嫌さが滲み出ていた。だがそんな事へも慣れているのか、主の本気の怒りでない事を経験として知っているのか。 「かしこまりました」 一礼を返す姿は動じた様子は全くなかった。 呆然としたままの3人を手早く促してあっという間に退出してしまう。そうなれば部屋の中に残されたのはギガイとレフラだけとなる。その呆気なさとリュクトワスの神経の図太さに呆けていたレフラが我に返ったのは、扉が閉まるのとほぼ同時だった。 「なんだか、リュクトワス様はスゴイですね……」 ギガイの腕の中でそう呟いた瞬間、腕の力が強められる。苦しくはない。だが逃がさない。そうハッキリ伝わってくるような拘束だった。 「ギガイ様?」 身動きもろくに取れないよう抑えられ、えっ?と名前を呼んだレフラの唇がギガイの唇に覆われた。突然口腔内を激しく貪られ始めて、レフラが思わず顔を背けようとする。それでも頬に掛けられた指先で顎を割られるように固定されてしまえば、背ける事も閉じる事も出来なくなった。 弱い口蓋をギガイの舌先が何度もかすめるように撫でていく。それだけで熱が重たく溜まっていって、腰が思わず揺れそうになる。それなのにギガイのたくましい腕はそんなわずかな身動きさえも許してくれない状態だった。 「ふっ、あぁ、っあ、くるっし、っふぁ」 立て続けに貪られて、上手く呼吸さえ紡げない。漏れる呼吸の合間に必死に訴えたレフラの唇を、ギガイがわずかに解放した。 「私の腕の中で他の男の名を呼ぶな」 苦々しそうな声で告げられた内容にレフラが目を見開いた。だがレフラが何か言う前に再び覆ってきたギガイの唇がレフラの言葉を防いでしまう。 緩急をつけて甘噛みされる舌は、そのままレフラを痛みと快楽の合間で翻弄する。弱い所をただただ優しく愛撫されるよりも、こうやってドロドロとした快楽を身体の奥で練り上げるようにして与えられた快感は、深く強くレフラの感覚を苛んでぐずぐずに溶かしてしまうのだからたまらなかった。 そんな快楽をずっと与えられていたのだから。唇がようやく解放された頃には、すっかりと固くなったレフラの茎は痛みさえ訴えている状態だった。 「はぁ、はぁ、はぁ」 レフラの荒い呼吸音が静寂の中で響いていた。1人分だけしか聞こえないその音は、まるで自分だけが興奮しているようで恥ずかしい。 レフラは股間の熱を誤魔化すようにもぞもぞと膝をすりあわせ、上着の裾を引っ張った。だが少しでも捲れてしまえば、はしたない膨らみが服の上からも確認できる状態なのだ。先端からも恥ずかしい雫が溢れているのか、下着の中がぬるっと濡れていた。

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