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Trac×× 5%/クリープハイプ

※ジョン視点 「は?マジかよ」 ラブホの部屋のテーブルには持ち込んだ酒の空き缶やツマミの包装が乱雑に広がっている。で、ソファに座る俺の肩の上にはセフレの頭が乗っかっていた。 ハジメは俺に寄りかかり、ほんの少しだけ顔を赤くして寝息を立てていた。 酒に弱いってマジだったんだな。あとすぐ眠くなるってのも。確かにこれはセックスどころじゃなねえわな。飲み屋やバーに行くのを嫌がるわけだ。 面白半分で飲ませるんじゃなかった。だいたい缶ビール一本あけただけでコレかよ。 「おい、ハジメ。起きろよ」 肩を揺すったけど瞼はピクリともしねえ。明日非番だから泊まっていこうと思ったんだけど。 「あーあ・・・」 ハジメの頭がゆっくり下がっていって、俺の膝の上に落ちてきた。こんな無防備な顔初めて見たかも。セックスの時も絶対隙は見せねえって態度をとるくせに。 ・・・なんか面白くなってきた。ハジメの茶髪に指を埋める。ふーん、ちょっと猫っ毛なんだ。指で毛先をいじってたら顔を顰めて唸った。アハッホント猫みてえ。ってそれだけかよ。撫で続けてても何の反応もない。 じゃ耳はどうかな。指先で挟んで擦り合わせたり、溝をつたったりしてちょっとヤラシイ感じで触ってみる。あ、ダメだ。ハズレ。全然リアクションしねえわ。 でもパーカーの襟ぐりから手を入れて首筋をすっと触ると「んっ」と肩をすくめた。お、アタリ? リンパ腺を親指で軽くマッサージする感じで摩ると、ハジメの肩から力が抜けて吐息が零れた。エッロ。 「ここ、気持ちい?」 「・・・っるせ・・・」 「おっ。起きた」 「ねっむ・・・」 「まだ寝る?ヤる?」 「寝る。好きにしてて」 ハジメはのっそり起き上がって、あくびしながらふらふらベッドに歩いてった。ぼふっと倒れ込んで、もぞもぞと横になるとまた寝息が聞こえてきた。 ふーん。じゃ好きにさせてもらうとしますか。 ベッドに上がって、ハジメの背中側にまわった。服の裾から手を入れて胸の先を摘んでみる。ビクッとして背中が丸まった。くりくりと捻るように触ってたら硬くなってきた。 「起きてる?」 「んー・・・」 返事してるけど瞼はくっついたまんま。まだうとうとしてんのかな。 「気持ちいい?」 「ん」   素直に頷くもんだから笑える。そうしてりゃかわいげがあんのにな。いつもみたいにクソ生意気な態度を突き崩していくのも悪くないけど。 「セックスする?」 「・・・する」 「じゃこっち向いて」 薄目を開けて俺と向き合う。俺の首に手を回してキスしてきたからちょっとビックリした。最初はキスから入るよなコイツ。 舌を絡めて全体を擦り合わせると、粘膜の滑らかさと少しざらついた感触が交互にやってくる。酒を飲んだからかすぐ頭ん中が軽くなって身体が熱くなった。 腰を掴んで下半身をピタッとくっつけた。 キスしたまま腰を上下させてブツを擦れば、柔らかかったそこは弾力を持つようになっていく。 さぁて、何させてやろっかな。いつもより素直に言うこと聞くし。でもコイツ基本なんでもヤるしな。オモチャとかコスプレとか緊縛とか危うい遊びは一通りしてきたし。 口を離してハジメの顔を俯瞰する。伏せがちの目は熱っぽく潤んで、緩んだ口元は濡れていた。なんつー顔してんだよ。エッロ。 あ、服引っ張られた。 「どうした?」 「シないの?」 まだ声が浮ついてんな。このままドロッドロに甘やかしてやるのも面白そうだ。 「どうして欲しい?」 「んー・・・任せる」 「ダメ。どうして欲しいか言わないと動かねえからな」 「じゃあチンコ触って」 「はいはい」 肇のブツに手を伸ばせば、まだ柔らかいけど芯を持っていた。手を舟型にして下から撫であげれば、ハジメの背中が反った。下着もズボンも剥いで竿を扱いてやれば、雁首が指で引っ掛かるたびビクッと肩をすくめる。 ふーん、ココがいいんだ。悪戯心で舌でぐるりとカリをなぞれば、珍しく嬌声が一つ上がった。 そのまま口に含んでやれば、声を殺して戦慄いている。啼かせてえ。 フェラを続けながらハジメの脚を肩に担いだ。それから親指で孔を見つけてゆっくり押し込んでいく。 あー、ちょっと届かないかな。一旦引き抜いて手にローションをつけ、親指じゃなくて人差し指を差し込む。今度こそ性感帯の塊みたいな前立腺に指が届いた。指先でさすってやったり押し潰してやったりすれば、震える声が時々零れ落ちてくる。 気持ちよさそうにしてんじゃん。 「んっ・・・イク」 「イケば?」 「そしたら寝る」 あー、それは困る。指を抜いて、俺のをハジメの孔にあてがった。じわじわと、でもいっぺんに根元まで押し込んでやればハジメは目を見開く。 「目ぇ覚めた?」 「・・・っのバカ」 「で、どうして欲しい?」 「動けよ・・・っ」 小刻みにピストンしてやれば、それに合わせて呻きとも喘ぎともつかない声がハジメの喉の奥で|凝《こご》った。ちょっと腰を持ち上げて、ペニスの上から指を潜り込ませる。挿れたまま指でしこりをさすれば、ハジメの身体がそり返った。 「・・・ヤッバ・・・」 「気持ちい?」 ハジメは首を横に振った。全身震えてるくせに。意地張ってやがんの。指で前立腺を押しながらゆっくりペニスを抜き差しする。 「動くなっ」 「どっちだよ」 動けっつったのはハジメだろ。 しばらくそうやってネチネチ攻めてやって、ハジメが悶えるのを見て楽しんだ。 指を抜けばちょっとほっとしたような、物足りなそうな顔をしてる。 けど、コイツは絶対強請ったりグチャドロに乱れたりするとこを見せたりしねえんだよな。そこが燃えるんだけど。 「もっとやって欲しかった?」 「・・・さっさとイけよ、遅漏か」 「ジョーダン」 ずっとガッチガチのままだっての。もう好きなように動くからな。 破裂音を響かせて腰を打ちつけた。ハジメの手はシーツをくしゃくしゃに握り込んで俺に触ろうともしないくせに、ナカは貪欲に締めつけてくる。 首を目一杯ひねって顔を背けるから、晒された喉元に歯を立ててやった。 ハジメの腰が浮いた。そのまま痙攣して、ぎゅっとつむっていた目を開くと同時に身体がベッドに広がる。あれ、イッた? そういや首が感じるんだっけ。そっちも虐めてやりたいけど、また今度だな。 ハジメの腰を引き寄せて、イクまでナカを抉ってやった。 我に返った時にはハジメは寝落ちしてた。イッたらすぐ眠くなるとも言ってた気がする。 ナカに出しちまったけど下の世話までしてやるほど俺は優しくない。 ベッドだけ整えて寝れば翌朝文句を言われた。 「・・・最悪。腹いってえんだけど」 「うるせえよ、テメエのケツくらい自分で拭け」 「当たり前だ。起こせ」 「ヤダよ。起こしたら起こしたで文句言うだろ」 ハジメは文句を垂れつつも、割り勘にした部屋代や酒代はしっかり払ってきた。 「意外とこの辺はしっかりしてるよな。セックスにはだらしないクセに」 靴を履きながら褒めてやれば 「ジョンが言ったんだろ。金を払ってやったからって無茶振りしてくるヤツがいるって」 「へー、そうだっけ」 そういやコイツをホテルに連れ込んで色々教えてやったこともあったっけ。覚えてたんだな。 あん時は初々しかったのに図々しくなっちまってなあ。 「あのさ、またイイコト教えてやろうか?」 ハジメがこっちを向いた瞬間、顎をすくって唇を奪った。ハジメの身体を壁に押しつけたまま、ニヤッと笑う。 「俺、セフレにはキスしないから」 「・・・ハア?」 ハジメは顔を顰めて、マジで訳が分かんねえって表情をしてやがる。 「セフレだろ?お前とはセックスしかしてねえじゃん」 「だから、俺がキスすんのはお前だけだって言ってんだよ」 「意味わかんね」 「アッハッハ!鈍っ」 マジで?セックスの経験豊富でも|恋愛沙汰《こっち》は全然駄目なんだな。ウケる。 でもこの調子じゃしばらく本命なんてできそうにないな。ずっと独り身でいりゃいいんだよ、俺が相手してやるから。 ハジメは首を捻りながら部屋のドアを開ける。 あ、そうだ、もう一つ言っておくことがあった。 「俺以外のヤツとセックスするとき、絶対酒飲むなよ」 end

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