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Ⅱ 夜を焦がす星の檻⑲
「パンツ、脱ぎますか?」
……えっと。俺は、なんて答えたらいい?
「アフヒ」
「はい、分かりました。はいたままにしましょうね」
俺のアソコに晴君の手が。先端に指先が触れただけで変な声が出てしまった。
「ドクドクしてますね」
直に触られている。
硬くなったモノがはみ出してしまって、恥ずかしい。パンツが意味を為していない。
「ここもはみ出てますよ」
「ヒャ」
大人の証の毛を引っ張られた。
「尋斗さんは会陰も性感帯なんですね。覚えておきます」
「そんなの、覚えるなぁっ」
「聞けません。尋斗さんの一番になりたいので」
フッと熱い息が耳元に吹き掛けられた。
「俺が、あなたを一番気持ちよくさせますから」
「アっ」
晴君?
晴君がいない。
「ここですよ」
背中から声が聞こえた。
体をひっくり返されて、後ろから抱っこされている。
けれど、決して可愛いものでも、かっこいいものでもなくて。
絵の構図にもならない。
否、してはいけないものだ。
君が俺に背後から覆い被さっている。
俺達は四つん這いだ。
「尋斗さん、エロい」
「君がッ」
こんな体勢をとらせたんだろう。
腕の中で暴れるが……クッ、体格差だ。
「はいはい。怒ると、おちんちんプルンプルンしてますよ」
身をよじればよじるほど、拘束された体から布地がずり落ちていく。
下半身を覆う布も例外ではない。
手に手が被さった。
「誰が、おパンツはいていいと言いましたか?」
「でも、これはっ」
俺のパンツだ。
引き上げようとした手、上から被せられた手に捕まる。
「立場を理解していないようですね。あなたは俺に抱かれるんです」
不意の言葉は心音を凍らせた。
「あなたを無理矢理抱くから、あなたは被害者になればいい」
まただ……
「どうして君は」
自分を追い詰めて。
俺を庇って。
「あなたに欲情するから」
冷たい言葉とは真逆の熱い心臓の音色がトクトクと……背中を打つ。
「俺は……」
トクトクと……
「あなたに魅せられた一頭の雄です」
αのあなたを抱いて、犯して。
貶めて。
俺だけのものにしたい。
αの俺の、俺だけの雌に。
貶めて。
「淫乱マンコ、ひくひくしてますよ」
「ひんアっ」
昂る欲情が股の間をこすった。
「プルプル振って、恥ずかしいおちんこですね」
貶めたら……
(あなたは変わるだろうか)
俺を見るあなたは。
(三樹颯真の息子ではなく)
俺を、俺として。
一人の雄として、見てくれるだろうか。
「もっと振って見せてください。……そうですよ。俺自身を股に挟んで。腰降り、上手いですね。初めてとは思えない」
(あなたが今まで注いでくれた慈しみを失ったら、俺はあなただけの雄になれますか?)
「尋斗さんは四つん這いになって、腰振ってオナニーしててんですね」
「してなぁアアっ」
「うん。会陰に挟むのは本物の方が感じるんでしょ。金玉突いてあげます」
「ヒィィッ」
「激しいの好きでしょ。じゃあ、これは?」
にゅぷん。
「入ってるゥゥ!」
「指一本で驚かないでください」
「でも、お尻」
「マンコです。ちんこの大好きな孔をマンコと言うんです。いい加減、覚えてください」
汗ばんだ体温に熱い息がかかる。
「言ってください」
熱で変になりそうだ。
「あなたのつぶらなマンコは何が欲しいですか」
鼓動が鳴る。
熱い。
ドクドク、ドクン
先端から滴る、どちらのものなのかもう分からない蜜を大きな手が塗り込めてくる。
「言って。指じゃ満足できないんでしょ」
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