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猫の日

「忘れてたんだけど、今日のためにプレゼント買ってきたんだ」 俺はベッドの下からゴソゴソと黒の紙袋を取り出す。 中から長い尻尾を出し、ナオちゃんのお尻の穴を広げてプラグを滑らかに刺した。 「んアッ……なにぃ!?」 射精後の脱力感で背を向けていたナオちゃんがビクッと身体を揺らし、勢いよく俺の方を向く。 ナオちゃん、イッてから5分は身体が敏感になっているから動けないはずなんだけど。 「かわいい黒猫ちゃんに大変身……ヤッバ!」 ニヤニヤしながら三角に尖った黒い耳のカチューシャを取り付け、拍手をする俺。 今日は2月22日……にゃんにゃんにゃんで猫の日だからさ。  「にゃんって言ってみて」 「イヤや」 「お願い♪」 俺はふわりとした尻尾をさわさわといやらしい手つきで触れる。 「ふにゃん!」 大きく跳ねらせ、ギュッと小さくまとまるナオちゃん。 あっ、やっぱり敏感みたいだ。 「こんなんで感じんの? もう、ナオちゃんたら」 いじめがいがあるな、と本当の耳元で囁く俺にナオちゃんは熱い吐息を漏らした。 「なぁ、ユタカ」 さっきとは打って変わり、真面目なトーンで呼びかけるナオちゃん。 「なぁに? ナオちゃん」 相変わらず優しく甘い口調で返す俺。 「ほんまにおれでええの?」 弱々しく言うのが本当のナオちゃん。 「全然いいよ。なんで?」 俺はこっちの方が好きだよ。 「俺、職場では強気のワンマン課長やけど……プライベートでは弱々のネコやんか」 「アンバランスがちょうどいいって感じてるから大丈夫だよ」 「でも……」 煮え切らないナオちゃんの頭を俺は穏やかな笑みを浮かべながら撫でる。

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