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第七章・12

 密やかな茜の喘ぎは、まるで呪文のように丞のペニスを勃ち上がらせていた。  硬くそそり立ったものに、スキンを手早く付ける。 「挿れるよ」 「は、はい」  ゆっくりと、だが確実に丞は茜の奥へと侵入していった。 「あぁ、あ!」  大きく開いた茜の脚をさらに押し広げさせると、丞は深々と最奥まで貫き通した。 「あぁあぁ!」  顔を背け、涙で睫毛を濡らしている茜。  意地悪とは思ったが、丞はお構いなしに抽挿を始めた。  くちゅぐちゅと、濡れた音が立つ。  肌と肌のぶつかり合う、乾いた音が鳴る。 「んんッ、うぅ。ぅあ、あぁ、あぁんッ!」 「痛くない?」 「んぅ、大丈夫、ですッ」 「気持ち、悦い?」 「……ッ。んうぅッ!」  瞼を閉じ、シーツを掴みしめて髪を振り乱す姿を見ていると、嗜虐的な興奮が沸き起こって来る。  丞は抉るように腰を挿れ、茜を絶頂へといざなった。

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