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 日常に戻るとやはりこの部屋は砂漠のようで、小さな身体でなにごともこなしてゆく先生を支え癒したいという想いがつのる。  だがきっと悲しそうに見えるのは気のせいで、打ち明けたい俺の気持ちは、先生にとっては不要なもの。  先生はすでに、安穏を手にしている。  不要であるなら、捨てても構わない。  それでも、許されるなら、そばにありたい。  そばにありたいのは、彼らのためではなく、自分のため。  彼らの笑顔の空間が、俺の安らぐ場所だから。 了

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