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「好きだよ」
思い切って告白をしたら、圭太も自分を好きだと言った。家柄が違うから……引け目を感じているのだとも。
「なにも、気にしなくていい。圭太の気持ちは分かってる……圭太も俺が好きだろう?」
「ゔぁっ……あ、あぅぅっ!」
猛ったペニスを取り出して、それをゆっくり挿入すると、シーツを爪で掻きむしりながらも圭太は何度も頷き返す。
「啓太の、俺を締め付けて離さないね……凄く気持ちいい。すぐに達っちゃいそうだ」
「ふぅっ、んっ……うぅっ!」
掴んだペニスは解放せず、前立腺を掠めるように律動を開始すると、まるで悦びを示すように白い体が紅く染まった。
――やっと、一つになれた。
長い時間をかけた分、手に入れた時の悦びは大きい事を和斗は知る。少し薬を使いはしたが、圭太もだいぶ素直になれた。
――大丈夫、少しずつ……。
きっと正気に戻った圭太は、また嘘を吐くだろう。だけどそれは、和斗の立場に気を使っているだけなのだ……と、もう十分に分かっているから。
「顔に似合わず頑固な圭太も好きだけど……もっともっと、素直になっていいんだ」
「うぐっ……んっ……ふぅっ」
きっと無意識なのだろう。快楽を求め拙く腰を振り始めた恋人に……甘く優しく囁きながら細い項にキスを落とす。
「はぁ、あぁっ……ああっ!」
乳首をギュッと摘み上げると、空で達してしまったのだろう……体がビクビクと大きく波打ち、ガシャリガシャリと鎖が揺れた。
それと同時にアナルの中の収縮が強くなり……持っていかれそうになるが、和斗は何とかそれをこらえてさらに律動を激しくする。
「あぁっ……ううっ……ん」
「圭太……イキたい?」
答えはもう解っているが、彼の口から言わせたい。口は塞いでしまっているから、それは叶わない願いだが。
「ふぅっ……あ、ああっ」
「犬みたいに腰を振っておねだりかい? 圭太がこんなに淫乱だったなんて、知らなかった」
意地悪な声をかけてみるけれど聞こえてないのは解っていた。ただ無心に自分を求める彼の姿が可愛くて……愛おしくて堪らない。
「いいよ、沢山注いであげる。圭太、孕むかもしれないね」
「ぐっ、んぅっ……うぅ!」
男が孕むはずなど無いが、声にしただけで気持ちが昂り脈打つペニスが質量を増した。
空イキばかりを繰り返している圭太のペニスを戒める指を、解いてやる気は今はない。極限まで追い詰めて……臆病な彼の心の鍵を、取り払わねばならないのだ。
「もう俺のために、嘘は吐かなくていいから……」
「ふっ……う、うぐぅっ!」
尿道口に爪を立てながら、まず一度目の放出をする。
時間はこれから幾らでもあるが、今まで我慢していた分……これからの数日間は自分を制する自信が無かった。
「ずっと……一緒だよ」
独白のように呟く声が、グチュグチュという卑猥な音と重なるように部屋へと響く。
「あ、あぅっ……んうっ!」
「分かってる。俺も……圭太が好きだよ」
彼の発する悲鳴にも似た嬌声が……自分に応える声なのだと、疑う事無く和斗は微笑み、小さく震える恋人のを再度深く貫いた。
終わり
ありがとうございました。
続きの話を近日中に別ブックで公開します。
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