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第1話

 鉄格子の間から覗く碧玉の瞳に、らしくもなく鼓動が跳ねた。苦界に堕とされてなお真っ直ぐに前を見つめる碧玉の瞳は、相変わらず美しい。  もう自分の未来などわかりきっているであろうに、悲鳴一つ上げない。泣き叫びも、命乞いもせず、震えすらしないで真っ直ぐにこちらを見つめてきた。その誇り高さに、この子は歳を重ねても変わらないと思わず笑みを浮かべた。

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