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scene09-06 ★

「はい。ちゃんと言えたご褒美、あげなきゃですね」  頬を撫でてから、柔らかな唇に口づける。  何度か重ねるうちに、玲央の口が小さく開いて舌を差し出された。  誘われるように口内へ舌を潜らせる。優しく上顎をくすぐってやり、舌が絡めば吸いついて、ざらりとした感触を味わう。  やがて息苦しくなったのか、玲央がやんわりと体を押しのけてきた。 「調子乗んな。先輩にご褒美とか生意気だっつーの」  口ではそう言いつつも、顔はすっかり熱を帯びており、可愛らしくて仕方がない。  再び唇を重ね、玲央のシャツを捲って華奢な体のラインをなぞった。  指先が胸部に触れるなり、乳首をきゅっと力を込めて摘まんで、指の腹で転がしては熱と硬さを持っていくさまを楽しむ。  重ねた唇はそのままに、薄く瞼を開けば、快感をこらえている表情が目に映った。 「可愛い。でも、ちょっと乱暴にされるくらいの方が好きですよね?」  唇をそっと浮かせて囁く。玲央の顔に動揺の色が浮かんだ。 「な、なに言って」 「もうわかってますよ。こういうのとか好きでしょう?」  乳首を爪で強く引っ掻いたり、限界まで引っ張ったりして執拗に虐める。  刺激を与えるたびに玲央の体はビクビクと震え、口からは熱い吐息が零れた。 「く……はっ、ぁ」 「一番はやっぱり――噛まれるのがいいのかな」 「やっ、あぁっ!」  ぷっくりと赤く腫れたそこに歯を立てると、玲央は全身で快感を表わすように悶える。  執拗に食いつき、もう片方も爪先で刺激を与えてやれば、潤んだ瞳を向けられるようになって気分が高揚するのを感じた。 (本当に食べちゃいたいくらい可愛い)  胸部への責め立てから解放してやると、玲央は恥ずかしげに軽く足を上げる。彼の口が小さく動いた。 「藤沢、電気消せ……」 「すみません。いつもより余裕ないです」 「お、おいっ!?」  少しも聞き入れずに、玲央の下肢に手を伸ばす。  ベルトを緩め、下着もスキニーも全部取り去ってしまうと、すっかり反り返った屹立がピクッと揺れながら現れた。 「獅々戸さん、勃ってる」 「いちいち言うんじゃねーよ、バカ野郎ッ」 「ふふ、だって獅々戸さんが可愛くて」  身をかがめるなり、根本からいやらしく舌を這わせて、唾液を全体に絡めていく。  先端を口に含んで強く吸いあげれば、玲央の腰がガクンッと浮いて、口内でより欲望が膨れあがる。 「っ、くぅ……っ!」 「気持ちいいですか?」 「バッカ、その前に電気っ!」 「大丈夫。そのうち気にならなくなりますよ」  部屋の明るさが気になるらしく再度訴えられるが、聞く耳持たずといったふうに口淫を続ける。  玲央はぎゅっと目をつぶって顔を背けた。吐息に混ざって小さく「バカ野郎」という言葉が聞こえる。 「こんなトロトロなのに、まだ気にしてるんですか?」  意地悪に言って、じゅるるっと卑猥な音を立てながら先端を啜ってやった。 「あぁあぁ……ッ!?」  玲央が驚いたように目を開けて、二人の視線がぶつかる。  彼は何か言いたげに口をパクパクさせつつも、結局言葉にならなかったようで、傍らにあった枕を自らの顔に押し付けた。  いじらしい仕草がどうしようもなく嗜虐心を煽る。己の中で理性が飛んでいくのを、どこか遠くで感じた。 「獅々戸さんが恥ずかしがってる姿、もっと見たいな」  ぽつりと呟いてから、屹立の根本をしっかりと手で固定して咥える。そして、喉の力を抜くなり奥深くまで呑みこんでみせた。 「なっ、藤沢!?」  ぎょっとした玲央が、枕から顔を外して上体を起こす。  それに構わず、屹立を嚥下するようにして喉の締まりで圧迫してやった。  異物を押し戻そうと、生理的な吐き気を感じて咳き込むが、相手を気持ちよくしてあげたいという気持ちの方が勝っていた。 「ひ、うっ! それ、やば……」  どうにか引き剥がそうと、玲央は腰を引きながら頭に手を置いてくる。しかし、まったく力が入らないようだった。 「やだ、放せって、くっ……うぅ……ッ」  泣くような声に、ゾクゾクと胸が疼いてしまう。  視界がぼやけてしまうほどに苦しくて堪らないが、それでも頭を上下に動かして、根元から先端まで扱いていった。  裏筋を舌で擦りながら、喉で一番敏感な部分を刺激してやれば、屹立はあっという間に限界まで膨張する。 「藤沢ぁっ、も、出るからぁっ……!」  視線だけ上に向けると、涙を零しながら玲央が歯を食いしばっていた。必死で射精感に耐えているのだろう。 (玲央さん、出しちゃっていいんですよ)  思いを行動で示すかのように、先端を強く喉の粘膜で締めあげた。 「ン、あぁっ!」 「……ッ」  玲央が身を震わせて射精する。  雅はそのすべてを口腔で受け止め、むせそうになりながらも飲み込んだ。初めての試みだったが、いざやってみれば造作もないことだった。 「獅々戸さん?」  最後に唇の汚れを舐めとって顔を上げると、玲央が驚愕の表情を浮かべていた。 「な、何してんだよっ。ンなの飲むもんじゃねえだろーが!」 「あは、ついに飲んじゃいました。獅々戸さんのすっごく濃かったです……溜まってましたか?」 「うううるせえっ! クソ忙しくて《マス》かいてる暇もなかったんだよ!」 「ごめんなさい。もう次いっちゃいますね」  言葉を交わしつつも、気づけば前戯としての会話を楽しむ余裕すらなくなっていて、謝罪しながらバッサリと打ち切った。  何の情緒もなく淡々としている自分に内心苦笑しながら、ベッド脇のサイドボードに手を伸ばす。ローションの入ったチューブを取り出すと、手に中身を広げた。 「少しくらい休ませろよ!」 「余裕ないって言いました」 「なんでそんな……あぁ、ぅっ」  潤滑油にまみれた指を玲央の窄まりに押し込み、力を込めて掻き回せば、すぐに濡れた吐息が零れる。  ローションを足しながら何度か抜き差しして、きつく締まったそこを解していった。

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