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おまけSS 憂鬱で甘ったるい朝

「一限、サボっちゃおうかなあ」  ベッドの上で雅が呟くと、すぐ隣で玲央が身じろいだ。 「いや、なんでだよ」 「もうちょっとだけ、玲央さんとイチャイチャしたい気分なんです」  月曜の朝はいつも憂鬱だ。恋人を自宅に泊めた翌朝となれば、なおさらだろう。 (どうしよう。玲央さんに甘えちゃおうかな)  ずるい考えが浮かんで、玲央の手触りのいい髪を梳いた。 「玲央さん、まだ時間あるでしょ?」 「あっけどさ」玲央が顔をしかめる。少し考えるような仕草をして、 「やっぱ駄目だ。サボらず、講義にはちゃんと出ろ」 「ちぇっ」  派手な外見とは裏腹に、玲央は真面目だ。誘いはあっさり断られてしまう。 (まあ……いざそうなったら、一限どころか二限までサボりたくなりそうだし)  少し残念に思いながらも、正しい選択なのは間違いない。  気分を入れ替え、朝の支度をしようと重い体を起こす。この瞬間が一番気怠い。思わずため息が零れた。 「雅」  ふと名を呼ばれる。顔を向けると、両手で顎を掴まれて唇を重ねられた。 「また来てやっから」  一瞬だけのキスのあと、玲央が頭をガシガシと撫でてくる。胸がどきつくのを感じた。 (あーあ、玲央さんはズルいなあ)  軽く笑って口を開く。 「はーい。先輩の言うことには素直に従います」 「コラ、こういったときだけ後輩ぶるなっての」 「えへへ。でも、ほんのちょっとだけ充電させてください。そしたら頑張れそうなので」  言いながら抱きつく。すると「仕方ねーな」という言葉とともに、おずおずと抱きしめ返されたのだった。

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