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未知④
シルヴァが店員と話し込んでいるようなのでケイは正直退屈だ。
その間周りを見渡してみると席でこの葉巻の様な物を燻して口に咥えている。
やはりタバコなんだと思った。
周辺を見ていると後ろから肩に手を置かれ振り返ると、シルヴァが品物を買ったのか茶色の紙袋を手にしていて、買い物に満足したのかこの店を最後に商店街から出る。
更には郊外へ足を運んだと思えば周りに建物が見えなくなり、もうここは街の外ではなかと思った。
現に前を見る限り道路しか無い。
彼は一体どこへ向かっているのだろうか?
しかしそれを知る術はないし、ただ着いていくしかなかった。
「はぁ……はぁ……」
だが1時間ほど歩いた所で超現代っ子のケイは歩き疲れ、前を歩くシルヴァとの距離が徐々に広がっていた。
ただでさえ歩くのが早い彼に足並みを揃えるのは運動嫌いなケイにはとても無理だった。
それに気づいたシルヴァは苦笑いを浮かべ、踵を返しケイの元へ来た道を戻る。
ついにしゃがみこんでしまったケイの前に太陽から遮るように足音と共に影ができた。
逆光で表情の分からないシルヴァは何を考えているのか次の瞬間、ケイの体がふっと浮かび上がった。
「うわっ‼何しやがる‼離せっ‼」
ケイ体を軽々と抱き上げ、暴れるのを物ともせず肩に担ぎ上げた。
まさかこのまま運んでいくのか?
こんなかっこ悪い運ばれ方をするなんてプライドが許さないケイは降ろせと暴れるが、まるで何事もないように彼は淡々と歩を前に進めるのだった。
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