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第15話
「上手だよ」
危うく達してしまいそうだと甘く囁いて何度か穿ち、乳首に取り付けられたクリップを左右同時に引いて取る。
「んあっ! ああっ」
そのまま、ボッテリと赤く腫れた胸の尖りを口に含むと、吸った途端に圭太の身体がビクビク跳ねてから脱力した。
「まだだよ」
まだ、意識なんて飛ばさせない。
居なくなって三年間、探させはしたが見つからなくて、焦りばかりが募っていたが、視線だけは感じていたから近くに居るのは知っていた。
「どうせ兄さん達の差し金だろ? じゃなきゃ、俺の力で見つけ出せない筈が無い」
「んぐぅ!」
挿入したままのペニスで突きあげ、何度か頬を掌で叩くと、薄く瞼を開いた圭太に静かな声音で問い掛ける。
「俺のこと、好きなら身を引けって……そう言われたんだよな」
だけど、どうしても近くに居たくて、整形して名前を変えた。
なんて健気なんだろう。
なんて奥ゆかしいのだろう。
本来ならば優しく彼を包んでやるのが自分のやるべき事なのだろう。
――だけど。
「……ちがう。ほんと……逃げたかった。お前……狂って……あぁぅっ」
嘘ばかり言う圭太を素直にするために、ベニスに挿入している棒を更に奥まで捻じ込んだ。
「ひっ、ぐぁっ! ……あうぅっ」
「大丈夫、もう心配は要らない。邪魔者は排除するから」
独白のようにそう囁き、白目を剥いて痙攣をする身体を深く貫きながら、自分の放った白濁によってグチャグチャと卑猥な音を立てている圭太のアナルの再奥に……今日何度目になるか分からない自分の精を注ぎ込む。
「ああっ、あうぅ」
「圭太は繋いでやらないと、全然素直になれないんだよな」
離さないとばかりに自身を締め付けてくる肉壁が、素直になれない圭太の気持ちを如実 に和斗へ伝えてきた。
「圭太は今まで通り、俺だけを想ってればいい」
そう……二度と離れたりしないように、今度はちゃんと守るから。
「愛してる」
とうとう意識を無くしてしまった圭太の体の拘束を解き、細い肢体を抱き締めながら、うっとり囁く和斗の貌は、息を飲むほどに美しく……だけど何かが抜け落ちたような狂気を瞳に宿していた。
【END】
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