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「……はぁ」 太陽の向きが変わり、裏庭に大きな木の影が伸びる。 遠くから、明日また会うであろう人達とのお別れの挨拶が聞こえた。 そう、結局お花と図鑑に負けた僕は放課後になり、再び裏庭で花植えの作業に取り掛かかろうとしていた………のだが、 (………分かんない) 1日中勉強やお花のことでフル回転させた頭は昼休みと同様、花植えを全く進めないでいた。 自分の理解能力のなさに心が挫折しそうになる。 一旦頭を休めようと近くにあった古いボロボロのベンチに座り込んだ。 ふぅと一息つくと何となしに空を眺める。 (……綺麗) まだ完全なオレンジとなっていない空は、青との綺麗なグラデーションが見え、とても幻想的だった。 「………よしっ」 少し心が癒され、1つ気合いを入れると僕は再び立ち上がる。 花植えに挑戦しようと花壇の方へ向かうと、今まで視界に入ってなかったガーデニングの机に何冊も本が重なっているのを見つけた。

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