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夏の終わり頃、結局図鑑の持ち主は分からず、一向に返せないでいる。 コスモスの種植えは分かりやすい図鑑のおかげで無事に終わり、他のお花の種植えも挑戦する事が出来た。 今ではある程度図鑑の中身は頭に入っているので、返しても困ることは無い。 まぁ、こんな奴に話しかけられて図鑑を返されても嬉しくないか… 「あ!夏喜くんだ!!」 「おーい!おはよう!!」 河木くんを呼ぶ声にドキンと胸を高鳴らせそっと窓の外を覗く。 ……クラスの方を見て手を振る河木くんは相変わらずかっこいい 叶わなくたっていい、話せなくたっていい、 むしろ、こんな奴に話しかけられて迷惑だと思われた方が悲しくなる。 だから、せめて毎日君を見ることだけは許してください。 他に彼女が出来たって、好きな人が出来たって、傷ついてはしまうけど…… 君を見ているだけで、僕は立ち直れる だって、僕は雑草だから。

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