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「着いたよ」 河木くんは僕達の教室に着くと、扉をガラッと開けた。 まだ、暖房が入っているのか、廊下とは違う暖かい風が僕達を出迎える。 河木くんは自分の席に向かうとマフラーや上着を机の上に置いた。 僕も慌てて、つけていたマフラーと河木くんほど分厚くはないコートを自分の席に置く。 …改めて思うが、僕に一体なんの話があるんだろう。「蓮に近づくな」とでも言われるのだろうか… (ダメだ…女の子達の会話に影響されてる…) 優しい河木くんがそんなことを言うはずがないって分かっていても、マイナスな方へと考えてしまう。 はやく、この性格を変えたいものだ。 「ごめんね、こんな所にまで連れてきちゃって」 「い、いえ…だっ大丈夫…です」 河木くんが僕の方を向く。 「それでね、話なんだけど…」 河木くんと目が合う、 人の目を見て話すのは当たり前のことだ。 けれど僕は、向けられている綺麗な瞳に自分の目を写したくなくて、思わず目を逸らしてしまった。 (あぁ、本当に最低だな…僕って) 逸らした瞬間に後悔が走る。 本当は目を見て河木くんの話を聞きたいのに、君が僕に伝えようとしてくれる事をひとつも逃さずに聞きたいのに… 気持ちと行動が一致してくれない。 「……羽野は、俺の事嫌い?」 「……え?」 思わず逸らしてしまった目を河木くんに向ける。 (あっ……) 河木くんの表情は悲しさに包まれていた。

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