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「羽野は、俺の事嫌いなの?」
「ちっちがっ…」
全くそんなことは無い、むしろその逆で…
「俺は、羽野のこと好きだよ」
「……え?」
胸がドキッと高鳴った。
分かっている、河木くんの言っている「好き」と僕が言っている「好き」は意味が全然違うこと。
けど、それでも、河木くんの言っている「好き」の意味が僕には到底理解できない。
むしろ、あれだけ変に避けられ続けたんだ、「鬱陶しい」そう思われてた方が納得出来る…。
「なっ、なんで…」
「え?」
「なっ、なんで、こんな僕の事を…よっ、良く言ってくれるん…ですか?」
思わず思ったことがそのまま口から出てしまう。
「なんでって…逆に嫌う理由なんてある?」
「…え?」
びっくりして河木くんの顔をバッと見てしまった。
「ハハッ(笑)さっきから「え?」しか言ってない(笑)」
「あっ、ごっごめんなさ…「そういう所」
「……え?」
また、口から「え?」が漏れる。僕は慌てて口を抑えた。
「…そういう所が、良いなぁって思ってさ…羽野って」
「えっと…「え?」って言うところが…い、良いんですか?」
衝撃の理由に僕が聞き返すと
「いや(笑)えっと、そういう事じゃなくて…」
僕は分からずに頭に?を浮かばせる。
「羽野ってさ、素直に「ごめんなさい」とか言えるじゃん、上手く説明できないんだけど…羽野の言う「ごめんなさい」ってちゃんと切実な「ごめんなさい」なんだなぁって感じて…」
「うわぁ、語彙力ねぇなぁ」なんて笑いながら河木くんは言う。
僕は河木くんからの思わぬ言葉に固まっていた。
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