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「あ、そこだけじゃないよ?」
「…え?」
固まる僕に気づいてないのか、追い討ちをかけるように河木くんが話し出す
「ほら、花の世話だって毎日欠かさずに行ってるし、勉強だって休み時間削ってまでもノートを綺麗にまとめてたり、不器用でしどろもどろになる時もあるけど…何事にも真面目に、しっかりやり切ってるじゃん。そういう所も踏まえて、羽野が好きだよ」
河木くんは言い切ると照れくさそうに笑う。
心臓がドキドキとうるさかった。
「…だからさ、前の裏庭で羽野が昼ご飯食ってる時あったじゃん」
…僕が河木くんの腕を振り払ったときだ。
「あの時、俺羽野のことずっと見てたんだよね」
………はぇ!?
「なっ、なっなっ!?」
思わぬ発言にパニックになる。
「……ブハッ(笑)やっべぇ、羽野ってこんな可愛かったっけ?」
……あぁ、神様、僕はもう夢でも見ているのかもしれません。それとも、もう死んでしまうのでしょうか……
「おーい(笑)羽野?」
河木くんが僕の顔の前で手をヒラヒラとさせる。
「あっ、すみません…」
と思わず謝った。
「なんで謝るの?(笑)良いよ、逆に笑っちゃってごめんね」
…河木くんってこんなに優しかったっけ
誰にでも優しくて気の遣える人だとは知ってるけど、何だか…甘い。
チョコレートのカカオ1%ぐらいの甘さだ。
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