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次の日の朝…
僕は、いつも通り裏庭でお花の世話をする。
…と言っても、やはりやることが無い。
「……羽野!」
昨日と同じシチュエーションで、同じ声が後ろから聞こえてくる。
ただ、ひとつ違うのは…
「か……河木…くん!?」
昨日よりも河木くんが厚着なことだ。
「これで、裏庭で羽野と話せるだろ!」
河木くんが「へへっ」と笑う。
(あぁ……やっぱり可愛い……)
こんな可愛い河木くんを僕だけが今見れていて幸せだと思うのは、可笑しいだろうか…
いや、誰だって好きな人の笑顔が自分に向けられていると、嬉しく思うはず……
「あ、あのさ…羽野……、やっぱり俺、…羽野と仲良くなりたい!羽野と…友達になりたい」
「………」
「ダメ……か?」
あぁ…今、ものすごく好きで溢れている。
好きな人に友達になろうって言われて…
近づきたいという、ひとつの夢が叶って
きっと今の自分は他の誰よりも贅沢者だろう。
「……は、はい……よろしく……お願い、します」
河木くんの顔がパァーっと明るくなる。
あぁ…なんだ、本当に風隼さんの言う通りだ。
…なんにも悩むことなんかなかった。
だって、ほら……
僕が友達になることを承認するだけで、こんなにも幸せそうに笑ってくれるんだから……
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