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第6章 a footing ~立場~

「おーい!羽野!」 河木くんと友達になってからというもの、河木くんは周りの目を気にせず、いつも僕に話しかけてくれた。 「今日さぁ、道端で…」 話すと言っても、僕は黙って聞いてるだけなので、周りからみたら、一方的に河木くんが話している光景になるだろう。 初めはというもの 「なんで夏喜があの、地味男と!?」「え……何なのあいつ…」「いよいよあいつ、頭壊れたか…」 など、散々言われ続けたが、僕は言われ慣れてるので何も思わない。 むしろ、河木くんに悪影響なんじゃないかと思い、ヒヤヒヤしていたが、今では見慣れたらしく、言ってくる人はいなくなっていた。 (まぁ、きっと周りからは、河木くんの優しいボランティア活動だとでも思われてるのだろう…) そう思う方がやはり妥当だった。 僕自身さえ、まだ思ってしまう。 ボランティア活動ではないものの、河木くんは一人ぼっちでいる僕に気を使ってくれてるだけなんじゃないかって。 河木くんの優しさが出ているだけなんじゃないかって。 それに、河木くんが僕と友達になりたい理由なんかなんにも見つからない… 褒めてはくれたものの、僕と河木くんが友達になる理由にはどうしても繋がらなかった。

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