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ある日の放課後、僕はいつものように裏庭でお花の世話をしていた……訳では無い。
「夏喜!!ゴールだ!!」
「きゃー!!夏喜くん、かっこいい!!」
「ナイスシュー!」
…今、僕はグラウンドでサッカーを見ている。
なぜ、見ているのかというと……
「あ!羽野!!見てくれた!?」
キラキラ笑顔で手を振る、この向日葵のせいだ。
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昼休み…
「今日ね、放課後他校と練習試合があるんだぁ」
「……サッカー?」
「そう!あ、俺サッカー部なんだ」
(存じ上げてます…)
最近、僕は教室で河木くんと風隼さんでお昼ご飯を食べることが恒例になりつつあった。
本当は裏庭で食べたいみたいだけど、どうしても河木くんが寒さに勝てないみたい…
初めは緊張と人の目でガチガチだった僕も風隼さんなしでも受け答えぐらいは自然と出来るようになった。
…といっても、受け答えのみだが…
今日は風隼さんが教室に来ない日だ。
僕としてはいつもいてくれた方がありがたいのだが、周りからジロジロ見られたり騒がれるのが面倒臭いらしく、週に2回、火曜日と木曜日は来ないらしい。
今日はちょうど木曜日だった。
「そう!そう言えば羽野って部活入ってなかったよな?」
「え?…う、うん」
「なんで入んないの?」
(な、なんでって言われても…)
特に理由もなく、なんて答えたらいいか分からなくなる。それに気付いたのか河木くんは、
「中学って部活とか入ってたの?」
と質問を変えてくれた。
「あ、う…うん。…サッカーを…「え!?」
ビクッ
「あ、急に大っきい声だしてごめん…けど、羽野サッカーやってたんだな!続けたら良かったのに!」
「そ、そうかな…」
「そうだよ!!」
突然河木くんの目がキラキラと輝いた。
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