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「え、じゃあさ今からでも入ってよ!」 「……え?」 河木くんは何を言ってるのだろうか… 「え…そ、そんな途中から……なんて」 「大丈夫だって!あ、今日見に来てよ!そしたら入る気になるかもだし!!」 もう一度言うが、本当に河木くんは何を言ってるんだ? ( 今から僕みたいなやつが部活に入るなんて…) ありえない…受け入れて貰えないなんて百も承知だ。 けれど…… 「やっぱり……だめ?」 (……うっ) 可愛い……しょんぼりしながら僕を見てくる河木くんは捨てられた子犬そのものだ。 こうされては僕も断りずらい…… 「け、見学…だけなら…」 「ほんとに!?」 「やったー!」と笑顔をキラキラさせ、「ありがとう!!」と僕の手ぶんぶん振る。 (…ずるい) どこまでも河木くんはずるい人だ。 こんな顔をされたら、後々の事を考えずになんでも承諾してしまいそうになる。 河木くんの言うこと、全て叶えてあげたくなる。 「じゃあ、今日の放課後絶対に見に来てね!!」 「う、うん」 …あぁ、これは逃げれないやつ… 河木くんの笑顔を見ながら、僕はそう思っていた。

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