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「…あ、あの…」 口を開けたまま固まるひろさんが気になって、躊躇いながらも声をかける。 「…あ、ごめんごめん!」 元に戻ったかと思えば「なんでって…ねぇ」とか「こんな時れんれんがいたら……」とか、ひろさんがぶつぶつ呟き出す。 「ひ、ひろ…さん?」 もう一度声をかけるとひろさんが僕の腕をガシッと掴まれた。 「なんでかは……分かんない!!」 「……へ?」 思っていた答えとは違い、固まってしまう。 「だってさ、つっきーの気持ちなんか誰もわかんないでしょ?」 「……え?」 「俺の仲良い人や好きな人が、つっきーの仲良い人や好きな人と違うように…執着心を抱く人も人によって違うでしょ?だから、なんでそうなのかなんて理由、つっきーにしか分かんないんだよ!!」 ひろさんはそう言うと、僕の腕をパッと外しニコッと笑う。 (…ほんとに、ひろさんといい、風隼さんといい河木くんといい…不思議な人だ) 僕のマイナスな考えを全て覆してしまう。 当たり前だと思っていた概念を変えて言ってしまう。

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