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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「…あ、あの…」
口を開けたまま固まるひろさんが気になって、躊躇いながらも声をかける。
「…あ、ごめんごめん!」
元に戻ったかと思えば「なんでって…ねぇ」とか「こんな時れんれんがいたら……」とか、ひろさんがぶつぶつ呟き出す。
「ひ、ひろ…さん?」
もう一度声をかけるとひろさんが僕の腕をガシッと掴まれた。
「なんでかは……分かんない!!」
「……へ?」
思っていた答えとは違い、固まってしまう。
「だってさ、つっきーの気持ちなんか誰もわかんないでしょ?」
「……え?」
「俺の仲良い人や好きな人が、つっきーの仲良い人や好きな人と違うように…執着心を抱く人も人によって違うでしょ?だから、なんでそうなのかなんて理由、つっきーにしか分かんないんだよ!!」
ひろさんはそう言うと、僕の腕をパッと外しニコッと笑う。
(…ほんとに、ひろさんといい、風隼さんといい河木くんといい…不思議な人だ)
僕のマイナスな考えを全て覆してしまう。
当たり前だと思っていた概念を変えて言ってしまう。
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