ひろさんがそんな僕の姿をみてクスクスと笑う。 ｢ほんと、とっきーって面白いよね(笑)つっきーが執着心すごいのもなんか分かるわぁ｣ ｢…え？｣ ｢ピュアで可愛いから、なんか一緒にいて落ち着く｣ そんなこと、言われたことなかった。 それは、高校に入ってからでなく、高校に入る前の時から…落ち着くなんて言われたことない。 むしろ、一緒にいて疲れるなんて…言われてたっけ… 黙り込む僕を見てひろさんが少し首を傾げた。 ｢…とっきーが過去に何があったのかは知らないけど…｣ ひろさんの｢過去｣という言葉に一瞬体が凍る。 ｢俺は今のとっきーの性格？好きだよ｣ ｢………え？｣ こんな、ネガティブ思考で一人でうじうじ考えちゃうようなやつの性格が…ひろさんは好きというのか？ (やっぱり、わかんない…) イケメン三人組全員、わかんないけど……特にひろさんは僕のねじ曲がった考えを軽々と越えていってしまう。 (……本当にピュアなのは、ひろさんだろう) ピュアで純粋で…、子供にも負けないような、真っ直ぐな心を持っている。 そんな人にピュアだなんて…得意のネガティブ思考も通り越して、何だかおかしく感じてきた。 ｢あ！ねぇねぇとっきーて植物係だよね！？｣ ｢そ、そうです…けど｣ ｢なんか前にお花の種貰ったから、貰ってくんない？｣ そう言って僕に渡した種は｢フリージア｣の種 僕は思わずふっと頬を緩めそうになった。