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「ん、は…羽野?」 何も考えられなくなりボーッとしている僕の耳に河木くんの声が入ってくる。 「か、河木くん!」 目覚めてくれた嬉しさとこの状況をどうすればいいのか分からない焦りでまた、頭の中がごちゃごちゃしそうになった。 「……俺、寝てた?」 (……あれ?) 思った以上に冷静な河木くんに僕は驚きを隠せないでいる。 「羽野の顔みてたら眠くなってきちゃったんだった…」 そうボソリと呟く河木くんに少しきゅんっとしたが、今はそれどころじゃない。 「あ、あの……腕を…」 恐る恐る僕の腰に巻きついている河木くんの腕を見ながら伝えようとした…が、 「あ、ごめんね!俺寝そう悪くて…」 「……へ?」 たったその一言で済ませちゃった河木くんに更に驚かされ、思わず声が漏れる。 河木くんは何をそんなにびっくりしているのか分からないような顔をしていた。 (……お、恐ろしい……) こんなことをサラッとしてしまう河木くんに何人もの人が自然と騙されてきたのか……少しだけゾッとした。 「あ、けど人に抱きついたことはなかったなぁ」 「……え?」 「羽野が初めてだ…寝相悪くて蓮とか陽人蹴ったことはあるけどね(笑)」 初めて……その言葉にまたまた胸をきゅんっとさせられる。 そして、ひろさんはまたしても…風隼さんを蹴るなんて……またまた、ゾッとした。

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