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「えぇ〜、俺結構な時間かけて冬麻に逢いに来てんだけどなぁ」
男子…いや、人間なら誰もが弱る風隼さんの上目遣いにも涼は全く動じない。逆に何故か隣にいるひろさんがあわあわと慌てていた。
「…うーん、じゃあさ」
涼は小さく考えてそう呟くと。
グイッ
「!?!?」
「皆で帰ればいいじゃん、冬麻の友達とも仲良くなりてーし」
いわゆる、顎クイの状態でふわっと涼は微笑む。
さすがの風隼さんもピシッと固まった。
「どう?これでお互いの条件飲んでるでしょ」
余裕そうに涼は微笑む。ふわりとした、涼独特の微笑みに、周りからキャーっと小さな歓声が沸いた。
「…はっ(笑)面白いね、あんた」
「ん〜、面白くはないけどね?」
「ふはっ(笑)いいね…気に入った」
え?
(ええええ!?!?)
まさかまさかの意気投合に驚きを隠せないでいる。…いや、意気投合したことよりも風隼さんが涼を気に入ったことが驚きだった。
涼は人見知りしない性格で誰とでも話せるから仲良くなれるのも驚きはしない、けど…風隼さんは??
(…風隼さんと意気投合出来る人なんて…初めて見た)
それは河木くんやひろさんも同じのようで、びっくりした顔のまま戻せないでいる。
ひろさんなんてわなわなと震えていた。
「そうと決まれば行くよ」
「「……は!?」」
「ふふっ、よろしくね」
……どうなるんだ、このメンツ
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