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テスト三日間が終わり、冬休みに向けてクラスもより騒がしくなっていた。
ついでに言っておくと、テスト三日間は涼とも河木くん達とも帰ってない。放課後に一人で自己採点をするのが僕の中のルールだからだ。
なので、テストが終わった今日、久しぶりに誰かと帰ることになる。
「つっきー!とっきー!!帰ろおお!!!」
毎度おなじみ、教室中にひろさんの声が響き渡る。一緒に帰れなかったテスト三日間も涼と帰っていた三日間も必ずひろさんは一緒に帰ろうと誘ってくれる。その優しさと温かさが嬉しかった。
…テストが終わった今日、きっと涼は校門で待っている。
河木くん達の誘いをまた断わるのは気が引けたが、毎日遠くから心配して来てくれる涼を断る方が、辛かった。
風隼さんとも合流しそのまま校門の前まで行く。
「冬麻」
相変わらず今日も注目の的になっている涼が、僕の名前を呼んだ。
「あ、きょ…今日も…」
いつものように断りの言葉を口から出す。
……が
スッ
「……え?」
僕の横を風隼さんは何も言わずに通り過ぎて行った。
そのまま涼の方へと向かっていく。
僕も河木くんもひろさんも驚いた表情を見せた。
「……ねぇ、あんた」
「…ん?なに」
「今日も冬麻くんと帰んの?」
「そのつもりだけど」
あからさまな作り笑いを見せる風隼さんに対して涼は淡々と答える。
「そろそろ俺らも冬麻くんと帰りたいんだけど」
風隼さんはそう言うとニコッと笑い涼の顔を上目遣いで覗き込んだ。
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