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それからの二日間…
「冬麻」
家が遠いことも気にせず、涼は毎日僕に会いに来た。特に何かするわけでなく、ただただ公園でぼーっとしたり、たわいのない話をするだけ、中学の時から関係は変わらないようだ。
それから土日を挟み、月曜日の今日…
「テストだぁぁぁぁ……」
…そう、今日から三日間のテストが始まる。
「なーつきくん!今回も赤点記録更新??(笑)」
クラスの男子が河木くんの肩を抱きながらそう問いかける。
「ふん!今回の俺は一味ちげーの」
「なに!?それは聞き捨てならん!!」
「今回こそは、赤点ゼロだかんな!」
自信満々に言い張る河木くんに皆が「えぇー」と笑いながら反応する。
そんな反応を無視しながら教科書を取り出し、僕に向かってニコッと笑った。
┈┈┈┈┈┈
キーンコーンカーンコーン…
一日目のテスト終了を知らせるチャイムがなり、ザワザワとクラス全体がざわつき出す。
「羽野!羽野!!」
まだ椅子に座っている僕の所へ河木くんがやってくると
「出来たよ!!羽野が教えてくれた数学!」
そう言い、目をキラキラさせながらニコッと笑った。
(か、可愛い…)
思わず声に出しそうになるのをグッと抑える。
「す、凄い…ね」
なんて答えたらいいか分からなくなり、そう返す。…だってテスト直前の日まで、一緒に勉強出来てなかったから……
けど、河木くんは
「羽野のおかげだよ!!ほんとにありがとう!」
…胸がきゅんっと高鳴る。
(好き…)
その想いが何故か溢れて止まなかった。
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