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(蓮side) 思わずため息が出そう。 (…そんなあからさまな態度とんなよ、バカ夏喜…) 隣に座っている夏喜は前に座っている…涼?くんを睨みつけていた。 (…人見知りはするけど、社交的な夏喜が…珍しい) ほんの少しだけびっくりする。 …今までこんな態度とったことないのに (……ここまで来て、気づいてないとか、鈍感にも程があんだろ) せっかく、バカな夏喜にも自分の気持ちに気づくチャンスを俺が設けてやったというのに…おもちゃを取られた子供みたいな反応しか出来ない夏喜じゃ…到底無理か… 別に、期待はしてないったけどさ 「涼…くんと冬麻くんは友達なの?」 何も質問しない夏喜に耐えきれず、俺が冬麻くんに質問する。 「…う、うん」 少し伏し目がちになったが、答えてくれた。 「へぇ、ただの友達?」 「え、…そっそうだけど」 俺の少しだけ踏み入った質問に冬麻くんはびっくりしたような顔を見せる。隣に座る涼くんは興味無さそうに外を見ていた。 「…涼くんも頭賢いの?」 「…俺?俺は全然だよ」 「へぇ〜、その割に着ている制服は有名進学校のやつだけど…」 学校からの帰りなのだろうか、涼くんは制服をきている。それも、ここからじゃかなり遠い、有名進学校の制服だ。 「あぁ、俺は頭じゃなくて絵で行ってるから」 「…絵?」 「そう、絵」 そう言うとふわっと微笑む。 …こんなにふわふわしてる人、初めてだ。 一見冷たい感じに見えるが、冬麻くんの表情をたまに確認したり、問いかけにもしっかり答えてくれる。 どうやって友達になったのかは謎だが、涼くんが冬麻くんを大切に思っているのは一目見て分かった。

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