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(冬麻side) 「良い物買えたね」 「うん」 長い時間二人で考え合ったり、オススメしあったりした結果なんとかプレゼントを買うことに成功した。 (…喜んでくれるかな……) 少しだけ胸がドキドキと高鳴る。 (…きっと、喜んでくれる…よね…) 河木くんにあげるプレゼントをギュッと腕の中で抱きしめる。 「ふふっ、冬麻くん可愛い(笑)」 「へぇ!?…あ……」 一瞬何のことかとびっくりしたが、風隼さんの目線が僕とプレゼントを行き来していたので、見られていたのかと少しだけ顔を赤くした。 「乙女だねぇ…」 「そ、…そんなこと……風隼さんだって…」 「ん?俺が何?」 「……乙女…」 ボソッと先程言われた言葉をそのまま返してみる。 すると、風隼さんはその言葉を聞いて突然笑いだした。 「いやいやいや、俺が乙女!?(笑)」 「可笑しいんじゃないの(笑)」なんて一人爆笑しながらお腹を抱える風隼さん。 (…別に可笑しくないと思うんだけど…) だって、今日ひろさんのプレゼントを選ぶ風隼さんの横顔は今まで見てきた中でも特に綺麗で… とっても、可愛らしかった。 (…逆にこんな見た目の奴が乙女だなんて…) 僕と風隼さん、どちらが乙女と言うのに相応しいかと言われたら、100対0で風隼さんだろう… こんな事言ったら、また笑われちゃうかもだけど… 「クリスマス、冬麻くんはどんな格好で行くの?」 「へ?」 服装? 着る服なんて… 「まさか…考えてなかったなんて言わないよね?」 図星をつかれて、思わず黙り込んでしまう。 「…はぁぁ、まじか…好きな人とのデートなら、それなりに考えると思うんだけど…」 デートの服装なんて…考えるのは女の子ぐらいだと思ってたけど 「……ダメ?…なの?」 「ダメ」 バッサリと切り捨てられてしまった…… (ううっ…どうしよ……) 思わず頭を抱え込んでしまう。 「…はぁ、冬麻くん、クリスマスデートの待ち合わせ時間は?」 「え、いっ一時に、東雲駅前集合だけど…」 「午前中は空いてるわけか…」 そう呟くと風隼さんはブツブツと何か小さく唱えている。 「冬麻くん!!」 「は、はい!」 「朝の8時にファミレス前集合!」 「……は、はい?」

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