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(蓮side)
ひろくんはとことんまでバカだ。
(来年のクリスマスまで一緒だなんて…)
そんな約束しきれないことを、指切りげんまんしてしまうなんて
本っ当にバカ。
俺は、来年だけじゃなくこれから先の未来まで、ずーっと
予定はがら空き
ひろくんが誘ってくれるまで、誰からの約束だって断り続ける。
けど、ひろくんは違うでしょ?
ひろくんは、いつ…何処でも、運命の相手と出会う可能性がある。
皆、ひろくんの事が大好きなんだから、ひろくんさえ好きになったら、明日にでも直ぐ恋人持ちだ。
(何、自分で自分の首締めてんだよ…)
そんなことも考えられない、ひろくんを心配してあげる。
来年、彼女とクリスマスデートする前に針千本のばしてやるんだから。
「…あ、雪…」
「ほんとだ……」
あまりの寒さに、今日はホワイトクリスマスになるかも…なんて思ってたけど、実際になってみると中々幻想的なものだ。
(冬麻くんとか、好きそうだなぁ…)
ふと、頭に思い浮かんだ、今頃甘い時間でも過ごしてるであろう可愛らしい男に、ふっと笑みがこぼれる。
「何なに〜!笑みなんかこぼしちゃって!!」
「こ、こぼしてない!」
緩みかけていた、口をギュッと元に戻す。
ニヤニヤ笑うひろくんを、軽くパンチして視線を前に戻した。
……のだが、
「……あれ?」
見覚えのある…いや、本来見覚えがあっては困る背中に心がザワっと疼く。
俺の声にひろくんも前を向いた。
「つ、つっきーー!?!?」
ひろくんの声に、背中がヒヤッと凍りつく。
「ちょっと、どうしたの!?」
嫌な汗を抑え込み、ひろくんと立ちすくむ夏喜の元へ走って向かった。
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