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第15章 past and truth ~過去と真実~

冬麻は本当に強くなったと思う。 それは、高校に入った当時の冬麻よりもって話じゃなく、今までの 中学の時の冬麻と比べてだ。 (…今の冬麻なら、大丈夫) ハッキリとそう、思えるぐらい。 「じゃあ、行ってくる」 部屋に一人、置いといても不安にならないぐらい。 「…ありがとう」 「……おう」 何一つ不安などないとでも言うような、 いや、不安にも恐怖にも打ち勝てる そう強い意志を目に輝かせた冬麻なら… ┈┈┈┈┈┈ 「何唸ってんの(笑)?」 冬麻が寝てる部屋から、机と椅子を持って三人のいる部屋に入る。 どこかしどろもどろな理由は… たぶん、合ってるだろう。 「お茶しかないけど、いい?」 いつ、本題に入ってくるか… 様子を見るべきか、チラッとつっきーの方を見るが向こうもタイミングを伺っているのだろう、微妙な時間が過ぎていく。 正直、さっきまで三人が来たことに戸惑いがあったが、それがない今… (グズグズしててもなぁ) ふぅっと小さく息を吐く。 「で、何の用?」 そして、そのまま本題へと切り出していった。 その事に一瞬驚きを見せたようだが、互いに目を合わせ 「…今日、涼さんの所に来たのは……」 と、つっきーがゆっくりと、そしてハッキリ俺の目を見て言った。 つっきーが少しだけ、息をふっと息を吐く。 「……冬麻のこと?」 「え…」 俺の発言に三人が体をピシッと固まらせる。 「いいよ、そろそろ言わなきゃと思ってたし…冬麻からも許可貰ったから」 更に発言を続けが、特につっきーは頭が追いついてないようだった。 「え、…何が」 つっきーの揺れ動く目をじっと見つめる。 「冬麻の過去、全て話すよ」 全てを受け止めてくれると信じて。 受け止めてくれると確信を持って。

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