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第3話
ところが、2年生になって伸也が同じクラスになった。
努が大人しいのをいいことに、伸也は彼を顎で使うようになったのだ。
平穏な高校生活を過ごすはずが、いくつも石を投げ込んでくる。
ほら、今日もまたこんなことを言い出す。
「おい、俺の鞄持て」
ぺったんこの鞄に、教科書など入っているはずもない。
軽い鞄を努に持たせ、伸也は舎弟を持った不良気分でいるのだ。
彼の家に到着すると、苦痛に満ちた一日はお終い。
「はぁ……」
小さく溜息をつき、努は重い足どりで自宅へ向かった。
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