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第4話
だがある日、伸也との関係を断ち切る良策を努は見つけた。
うまく行けば、今後二度と梶くんは僕に付きまとわなくなる!
カギを握るのは、全校生徒を対象とした弁論大会だ。
クラス別に一人ひとり、教師は生徒に自由な題で作文を書かせる。
その中で光る作品を持ち寄り、次は学年代表を数名選出する。
代表に選ばれた生徒は、講堂に集まった全校生徒の前で発表する、といった寸法だ。
「僕は絶対に、代表になってみせる」
いや、ならねばならないのだ。
でなければ、今後もずっと伸也のパシリだ。
努は、何度も推敲を重ね、完璧な名文を完成させた。
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