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第22話

「僕じゃ伸也を、満足させられないんじゃないか、って不安だった」 「どの口が言ってんのか、それは」  正直、世の中にこんな世界があるのかと気づかされた。  それくらい、受け身に回ったセックスは、伸也にとって強烈だった。  いつの間にか『梶くん』から『伸也』に変換されてるし! 「なぁ、明日から毎日、俺ん家に寄ってけよ」 「毎日、ヤるの!?」 「ん、まぁ。お前が嫌なら別にいいけど」 「寄るよ。毎日」  伸也の性格からして、たまにリバを求めて来るかもしれないけど。  でも、このセックスに溺れちゃったのは、彼だけじゃない。 (伸也ったら、すっごく可愛い声で啼くんだもん)  これは、ワルを自称する伸也に言うと怒るだろう。  努は、それを胸の内にそっとしまった。

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