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第12話

 頭に血が上ったままふらふらと動き、気がつくとイナスは私室のベッドの上でリーンと向き合っていた。    14歳のその年で、すでに女は知っている。  精通など7歳のときにさっさと済ませ、すぐに肉欲の魅力を知った。  男に手を出したこともある。  武官の寵愛を受けて生意気に振舞っていた美少年を、懲らしめてやるつもりで無理やり犯した。  だが、こんなに美しい相手と寝るのは初めてだ。  どこから手をつけようかと迷っているうちに、リーンの方からそっと口づけてきた。  唇を割って細い舌が咥内に忍び込み、イナスの舌を求めてきた。  確か、リーンはひとつ年下の13歳、いや、誕生日をまだ迎えていないので、12歳のはずだ。  ガキのくせに、一人前に大人のキスなんかしやがって。  自分を棚に上げ、イナスは軽く機嫌を損ねた。  俺が初めての相手なんかじゃないんだ。  さっきだって、ナガにこの美しい体をさらしていた。  今まで、何人もの人間と交わってきたんだ。

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