19 / 36
第18話
翌日、ナガに呼びつけられイナスは宮殿へ向かった。
しかし昨日同様、国王の執務室はがら空きで、誰の姿も見えない。
やれやれ、と離れへと足を向けた。
全くお盛んなことで、と呆れながら寝室のドアを叩いた。
入れ、とのナガの声は弾んでおり、ご機嫌が良いようだ。
「失礼しま~す」
呑気な声で入室したイナスは、部屋の奥へと進み豪奢な天蓋つきのベッドへと近寄った。
「何か御用で?」
せっせと腰を動かしながら、ナガは笑いを含んだ声を上げた。
「面白い趣向を思いついてな」
その下に組み敷かれている哀れな生贄を見て、イナスの呑気に構えていた神経はたちまち張り詰めた。
噛みしめた唇。必死で声をあげまいと苦しげに悶えている姿。
「リーン!」
思わずつぶやいた言葉を、ナガは聞き逃さなかった。
ふん、と軽く笑い、ペニスを引き抜くとリーンの顎に手をかけた。
ともだちにシェアしよう!