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第21話
軽いキスを、何度も何度も繰り返した。
こわばっていたその体がほどけるまで、優しく口づけた。
やがて昨日と同じように、リーンの方から舌を差し入れてきた。
その舌を、ゆっくりと舐めた。
深くつながり、互いに寄り添うように絡ませた。
首筋に唇を移す。
そこには、ナガによって付けられた赤い痕が点々と残っていた。
そのひとつひとつに口づけ、癒すように舐めた。
「ん、ぅん」
くぐもった声。
イナスのやっていることの意味が解かったのか、リーンはその髪に指を差し入れ自分の方へとわずかに引き寄せた。
イナスは、もう一度リーンの唇に触れた。
短いキスを終え、耳に口を近づけた。
「リーン」
ささやくイナスの声。
耳元で、ナガに聞こえないように小さく静かにささやいた。
「好きだ、リーン」
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