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エピローグ・4
「イナス大丈夫? なんだか顔が赤いみたい」
熱がまたあがってきたのでは、と額に手を置くリーン。
「熱? そっ、そうかもな!」
その言葉にリーンは、手の代わりにタオルをイナスの額の上に乗せた。
「あの、ね。イナス」
「ん?」
「たすけてくれて、ありがとう」
救いになったのか、とイナスは胸のつかえが降りた。
震えて泣いていた、可哀想なリーン。
そんな彼の助けに、少しでもなれたのか、俺は。
いや? だけど。
ひたすら気持ち悦かっただけなんだが、俺は。
美しいリーンの肢体が、脳裏によみがえってきた。
白い肌が、桃色の乳首が、甘い吐息が、可愛らしいさえずりが。
「なぁ」
「何?」
「俺さ、すっげえ悦かったんだけど、お前はどうだった?」
「え?」
「気持ち悦かった? 俺とのセックス」
ぱっ、とリーンの頬がばら色に染まった。
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