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エピローグ 2

『それは?』 「あの子への手紙。これには僕の気持ちが書いてある。それを知った上で、ちゃんと自分の感情に向き合って欲しくて」  浄化された建物は、僕の霊力も漏れ出ていない今ならここに留まる意味もなく、暫くすると正常な霊は離れ、悪霊はマサによって浄化されるだろう。  元通りの姿を取り戻すだろう旧校舎を背にして、僕は歩き出した。  この手紙を書き読み返している途中でルカが来たため慌ててポケットに仕舞ったが、それを取り出し歩きながら改めて読んでみた。  そこには、こう記されていた。 《もう一人の僕へ。  突然の手紙ごめんなさい。でもどうしても言いたいことがあったので、手紙として僕の思いを伝える事にしました。  僕はマサが好きです。大好きです。誰にも渡したくないくらい、愛しています。でも君もマサの事を好きになってくれるというのなら、二人で愛したい。僕らは一つの肉体を共有する者同士、元は一人の人だった。だから君となら、半分こ……って言い方はおかしいけど、共に愛したいと考えています。なのでもし僕に遠慮しているというのなら、とんだ筋違いです。僕の事は抜きにした、君の気持ちを考えて欲しいんです。無理強いはしません、でもこれが僕の気持ちです。どうかもう一度向き合って欲しいと、僕は思っています》  これで、どう変化を刻めるかは分からない。  でも僕のせいで、芽生え始めた感情を無視するというのは嫌だから。  僕の気持ちを伝えた上で導き出した答えを、僕は尊重する。  そんな気持ちが元で書いた手紙、あの子はこれを読んでどう考え、どう思うのか。  分からないけれど、これが前に進めるきっかけになれば良いとそう願う。 「うまく、いくといいな」  そう零しながら、キラキラと輝く空を見上げた。

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