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第2話

 初めての晩は、忘れもしない5月15日。  塁が、親友の真悟の事を好きだと自覚した日のことだった。  高校1年の時、同じクラスになった真悟。  すぐに意気投合し、親友と呼べるほどの仲になった。  じゃれ合うだけではなく、勉強を切磋琢磨し、悩みを相談し合い、時には悪さだってした。  そんな真悟と2年生に進級し、また同じクラスになれたことに塁は喜んだ。  だが、それは単なる喜びを越えていた。  頬が紅潮し、呼吸が速くなり、心臓が早鐘を打った。  これまでと同じように、親友として接してくれる真悟。  だが、塁は彼を恋する眼差しで見るようになってしまったのだ。

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