13 / 35

第13話

「なぁ、塁。何か悩みでもある?」 「な、何。急に」 「最近、何かこう……元気がないから」 「う、うん」  俺でよければ、話してくれよ、という真悟の優しさが嬉しい。  言ってしまおうか。  僕が、あの恐ろしいヴァンパイヤに犯され続けてることを。  でも、そうなればナハトが真悟に化けているわけを話さなきゃならない。  僕が、真悟を好きだ、ってことを打ち明けなきゃいけない。  その場は、何も言わずにやり過ごした。  だが、塁が真悟に告白しようと決心するまで、そう時間はかからなかった。

ともだちにシェアしよう!