5月15日を境に、塁はどんどん元気を失っていった。 　数日おきに現れる、ナハト。 　そのたびに無理やり犯され、嘲られ、脅迫めいた言葉を浴びせられる。 　心も身体も、ぼろぼろだった。 　それでも何とか学校へ行けたのは、真悟がいたからだ。 　ナハトの化けた、偽真悟に犯された日は特にそうだ。 　本物の、温かな血の通う真悟。 　明るい、太陽のような笑顔を見せてくれる真悟。 　彼に会うことで、夜の陰惨な出来事が浄化される。 　しかし、真悟もまた塁の異変に気付いていた。