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第11話
また来る、と言い置いてナハトは窓も開けずに消えて行った。
夢だ。
きっとこれは、夢だ。
それにしては、生々しい夢だった。
後膣の痛みも、腸壁の痙攣も、現実のものだ。
「夢じゃないんだ……」
慌てて塁は体をかがめて、後孔に指を突っ込んだ。
これが現実なら、あの男の精液を掻き出さないと!
「ヴァンパイヤになってあいつのハーレム入りなんて、絶対嫌だ」
しかし、体内に精の名残は無かった。
すでに、塁の全身に巡ってしまっているのだ。
「嘘だろ……、ヤだ……」
声を漏らさず涙を流す中、夜明けの気配がしていた。
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