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第15話
「真悟、大事な話があるんだけど。聞いてくれる?」
「何でも聞くよ。俺とお前の仲じゃないか」
うん、と塁はひとつ頷き、ついに真悟に打ち明けた。
5月15日、ヴァンパイヤを名乗る男が現れたこと。
そいつは真悟の姿を借りて、数日おきに自分を犯すこと。
ヴァンパイヤの精を受け続けた人間は、ほどなくしてヒトでなくなってしまうこと。
初めはあまりに破天荒な内容に、頬に笑いを張り付けていた真悟だったが、話が深まるにつれ涙目になり鼻声になってゆく塁に、終いには真顔になった。
「それって、マジ?」
「うん」
だけど、と真悟は素朴な疑問を口にした。
それこそが、塁が話すには最も勇気の要る内容だった。
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