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第16話
「だけど、そいつは……ヴァンパイヤはどうして俺に化けるんだ?」
「それは」
「うん」
「それは、僕が真悟の事を好きだから、なんだ」
真悟の眼が、丸く見開かれた。
「親友だと思ってた。でも今は、好きなんだ。ごめん、真悟」
愛する者の姿を借りて、塁を凌辱するヴァンパイヤ。
真悟の胸に沸いた思いは、まずそんな卑怯な人外者を許せない、という正義感だった。
「俺、正直なところ、今は気持ちの整理がつかないよ」
「ごめんな」
「でも、お前を救いたい。これは確かだ」
「真悟」
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