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第18話

 両親らには、学校の課題が難しいから二人で夜までやりたいのだ、と嘘をつき、真悟は塁の家に泊まるようにした。 「まだ3時までには時間があるさ。今のうちに寝とこうぜ」 「真悟は度胸があるなぁ」  二人でひとつのベッドに横たわり、暗い天井を眺めていた。 「な、真悟」 「何だ?」 「手を、握っててくれないか」  とても怖いんだ、と塁は震えた。  最悪、真悟の目の前でナハトに犯される自分を晒すことになる。  その恐れは、握られてきた温かな手で和らいだ。 「大丈夫。安心して眠れよ」 「ありがとう」  そのまま、夜は更けて行った。

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